gintemaree’s diary

創作には番号をふっています。

上弦の月が一周した

手袋を忘れて帰る日は余計に空気が澄んでいるように感じる、などとポエムを吐いていた2月は遥か昔である。慌ただしくもじりじりと動けない3月を過ごしている。

こんなご時世だ、心身のバランスを崩している友達はいませんか?自分が損ねた手前、大切な人たちの健康を案じています。

 

近況を少し。

f:id:gintemaree:20220319160942j:image

親知らずについて新たな事実が発覚した。

歯列矯正を始めようと歯科でレントゲンを撮ったところ、上の親知らずがそもそもないことが分かった。

専門用語では欠損というらしい。歯とは意外と融通が効くようで、親知らずが足りなくても身体に悪影響がなくて都合がいい。

ちなみに下の親知らずは

🤜🦷🦷🦷🦷・・・🦷🦷🦷🤛

こういう生え方をしていた。すごい横だった。極端な奴だと思った。

 

もう一つ、前回募ったお題に「毎日メイクと美容ルーティン」をいただいていた。正直わたしは化粧のことは分からんし、毎日化粧するわけでもないから折角のお題には沿わないかもだけど、その辺も少し話したい。

化粧品を充実させたいと思うようになった。

特にベース。詳しくないからと蔑ろにしがちだったが、少し貯金もできたことだ、高くても合うものを買おうと思った。

プライマー(が何かはあんまり分かっていない)とファンデーションをそういう価格帯で手に入れた。デコルテのプライマーが良かったので共有。特に色はついていないが、これを仕込んだらファンデーションのカバー力が倍増する。それでいてつけ心地が軽い。化粧など気が向いた時にしかしない私が、これを塗りたくて化粧する日が時々生まれる。

今はハイライトとシェーディングをゆるゆると探している。夏までには最強の陣を敷きたい。

いつも言葉を調べながら文を書くんだけど、「布陣を敷く」はどうやら頭痛が痛いらしい。母語なのに知らないこといっぱいあるな。綺麗な言葉を使いたい。

あと美容でいうとクオリティファーストの水色が良かった。シートマスクの話。一切ピリピリしないところが良かったけど売ってる薬局が少ないのが難点。こういう時のためにネットショッピングがあるのだろうが、すぐにロフトに行ってしまうのがアナログ現金派の悪いところ。楽しくなって6階で散財してしまうのだけはそろそろ気をつけてほしい。

 

おわり

特技と今後の展望

持って生まれた手先の器用さとガサツさ、創作の力と色彩センスのなさで平凡を保っている。

時々なら何もないところから光る泥団子をこさえるが、だいたいはすぐ飽きる。直感と惰性の四半世紀。

 

10歳の頃から手芸を嗜んでいる。

叔母から大量のビーズをもらったのをきっかけにビーズ細工をはじめた。細かい作業が性に合ってたことと、出来上がりを親が褒めてくれたことが嬉しくて一時期はそればかりしていた。今でも完成品をSNSでも見せびらかしてしまうのはその時の成功体験の名残である。今後とも容赦してほしい。

成功体験というものはとても強固で厄介な記憶だ。受けてきた教育と違い、成功体験は自分が自分に刷り込みをしている状態であり、そう簡単には脱却できない。誰かに迷惑をかけるようなことから成功体験を得なくて本当に良かったと思う。

 

話が逸れた。とりあえず、手先の器用さを活かせる手芸は私の特技だ。正直ちょっとだけ、表現が難しいが、この特技は燻らせておいては勿体無い気がしている。

なんというか、せっかくなら壮大な趣味にしてしまいたいのだ。先日実験的にブログにしたためているフィクションを絡めたピアスを作ったが、あのような感じで趣味同士を繋げて体系的なものにして、自分の頭の中のきらきらした部分だけを見られる場をつくれたらいいなと思う。オリジナルの光る泥団子ミュージアムである。

この辺でもう1人の自分からあなた変だよという指摘が入るが、元から変なのでどうしようもない。普通こういうのは、やるとしたらそれは商売でやるのだと思う。

残念だが、金にせずともやりたいから仕方がないのである。その場所では、その時の自分の持てる技量のうち最大が詰め込まれる。

そして、例えば自分が心を病んだ時にそこを覗いて自分をエンパワーしたり一旦閉じこもったりできる、砦のような場所にできたらいいなと思う。

泥団子が光るにはきめ細かな泥でなければならないから、ガサツさや色彩センスも改善して底上げを図りたい。展示物を振り返った時に、改善の道のりのようなものも見られたらいい。

そういう訳で、単純な趣味として、そしてある種備えとして、私は特技を育ていろんな色でピカピカの泥団子を作りたい。最近はそんなことを考えている。

 

そうそう、なんか作って欲しいものや、修理して欲しいハンドメイドアクセサリーがあったらぜひ声をかけてほしいな。おしまい。

 

[4]散歩ⅱ

散歩というには少し早足なくらいで、両国橋へ向かって支流沿いを下る。もう冷えたビールが体温を奪い始める頃かと、身をもって季節の移ろいを感じる。

「この川沿いは金木犀が植わってるらしいですよ。」

「そうですか。」

「まだ引き出しはないままですか。」

彼女がふふと笑う。

「もちろんありません。教えてくれても困らないですけど。」

「いや、もったいないのでずっと知らないでください。」

f:id:gintemaree:20211211013038j:image

 

まだ深い時間ではない。両国橋の車通りもさほど減ってはいなかった。

車道に背を向け、欄干に並んで肘をかける。川の上流を反射するいくつもの灯りたちを眺めぽつぽつと交わす言葉の、その読点のたびに缶が軽くなっていく。

昨晩の月が高くて綺麗だったことや、この時期なのに蚊に刺されたことなど、まるで穂高に居るような、そこでの読書の合間に交わされるような切れ切れの会話である。

 

「ビニール袋、わざわざ買ったんですね。」

「バレましたか。参っていたもので。」

「は?」

彼女らしくない、急に弱みを晒すような台詞に虚を突かれた。まじまじと横顔を見つめてしまう。

彼女はビールを呷ったが、もう中身は残っていないようだった。

「こうも外に出にくいと鬱憤が堰き止まってて大変みたいで。」

「他人事みたいですね。」

「人に気を遣いたかったんです。ビールは泡が立っても、手の温度でぬるくなっても困ります。非日常なことが必要でした。」

彼女は自分の心を労るため、わざわざコンビニで袋を買い、金と手間をかけて極力状態の良いビールを他人にくれたらしかった。

確かに路上飲酒でこんなに気を遣われるのは経験がありませんね、と返したのは正しかったのだろうか。


f:id:gintemaree:20211218184613j:image

 

「帰りましょう。お時間割いてくれてありがとう。お陰様で罪悪感が薄まりました。」

「どういたしまして。」

先刻の動揺を引きずるのは私の勝手である。

「あなたと話すのは、なんだかリレーのアンカーになった時と似た感じがします。」

正直なところ、この表現が合っているのかは分からない。緩急のせいで平常心ではいられないのに、決して不快ではない。

「なんですか、それ。」

歩き出す。

「感覚の話です。こちらこそお誘いありがとう。」

 

座右の銘が決まりました

突然なんの報告だ?と言う感じではあるが、座右の銘を発表する。

手鞠屋さんは座右の銘を「外野は黙っとけ」に決定しました。

少々棘がありびっくりするが、ひとつ宜しくと言うことで。

f:id:gintemaree:20211127172451j:image

少し前にはてなブログのネタを募った。ある人から「人生」というお題をもらった。

手鞠の人生、最近は振り返る暇もないくらいバタついた毎日を過ごしており、体力もそんなにないので自分の話がなかなかできない。きっかけをくれたあなた、ありがとう。ご飯食べてますか?いつか会いましょうね。

座右の銘などもろに人生であるなと思ったので、この機会にしたためる。

 

さて、座右の銘とは、この嘘みたいな人生に矜持としてなんか良い感じの諺とか故事成語などを設定するものだ。

なんかひとつモットーがあるのは良いことである。自分の軸を他人の言葉に置いておけば、自分がブレた時にきっと身を助くことと思う。

 

なぜ私は既存の言葉を引っ張ってこなかったのか。

何というか、反射で発信することが増えた。社会を見ていても、自分自身を顧みてもそう思う。いらん事に首を突っ込んで怒ってみたり勝手に消耗したり、逆に自分と地続きのはずの事に異常に無関心だったり。時には事勿れしちゃったり。そういう人を見るのも、自分がやってしまうのも、自分がくらう側になるのも本当にしんどい。

特に、当事者や私自身にしか分からないことを、共感も想像も共通性もない者が厚かましく首を突っ込んでは矮小化する流れが多すぎて、本当にあれは毒だと思う。

ここ2年ほど顕著なこの風潮がこたえるのだ。出くわすたびに感じたモヤモヤしたものが段々と形になり、1番自然に落ち着いたのがこの言葉だった。語気が荒いのは自衛のためであり誰かに加害しないためだ。わたしは時として外野を黙らせ、また外野として黙って参りたいと思うのである。

 

そういう訳で座右の銘の話。自分のことを書くときは意識の下の方に潜るような感覚があり心地よく疲れる。おしまい。

[3]散歩

 

『秋が終わってしまいます。散歩をしましょう。』

中秋の名月も過ぎて暫く経った頃、彼女からメッセージが届いた。

『本当はワインを仕入れに山梨まで行きたいところ、ご時世が許さないだろうと思うので。』

『それはわたしも許さないだろうと思いますね。いつが良いですか。』

ワインの代案がなぜ散歩になるのか。私は彼女の感覚を未だに掴みあぐねている。

 

f:id:gintemaree:20211027001519j:image    

 

緊急事態宣言も明けた10月8日午後8時。約束通り穂高の前で待っていると、彼女がビニール袋を下げてやってきた。

「待たせてしまいましたね。」

どうぞ、と開いたビニール袋には缶ビールが2本。罪深いですね、と片方をありがたく頂く。

これまで彼女と飲んだことは無かったなと考えながら彼女について歩く。

「両国橋まで。ぬるくなる前にどうぞ。」

「良いですね。屋形船はまだ見られると思いますか。」

「8時なので終わっていると思います。」

「それは残念でした。」

彼女が缶を開ける間、帆布の鞄を預かる。小気味いい音を確かめて返す。

「どうしてワインの代案が夜の両国橋なんでしょうか。」

自分のプルタブを引く。

「感覚の問題ですけど。今晩はお付き合いいただきありがとう。」

彼女が目の高さに缶を持ち上げたのに合わせて、缶のお尻を軽くぶつける。今秋も東京は飲み歩きを歓迎しない。

「少しだけ、一緒にひんしゅくを買ってください。」

「喜んでお供します。」

 

 

 

個性つよい髪型と利点

社会人になってから、髪型を変えて局部的に伸ばしはじめた。

会っている人は分かると思うけど、かなり個性的な感じになっている。一応自覚もある。

説明が難しいので写真で紹介する。美容院行った後は自撮りしたくなるから、割と髪型の綺麗な写真があって丁度良かった。

f:id:gintemaree:20210902192853j:image

姫カットというかクラゲヘアというか。またどちらでもないのか。私自身も呼称が分からないのでaikoヘアとでも名付けようか。

正直なところを言えば派手に染めたいが、社会人なので暗めをキープするように気をつけている。これで注意を受けない職場、ありがたい。むしろ意外と仕事で関わる人に褒めてもらうこともあり、結構満足している。

髪を伸ばすのは成人式以来だ。あの時は振袖にフィンガーウェーブを合わせたくて伸ばしていた(個性)。本当は顎上のボブが好きだ。

髪のケアは私にとって大変なので、伸ばすなど目的やメリット無しにはとても続けられない。それでもやっていくうちに幾つかの良い事があった。

 

ボブから1年半くらいでここまで伸びた。巻ける長さになり、コテの扱いも慣れてきた。もう火傷することもめっきり減り、太さでかなり印象が変わることも学んだ。

できる事が増えると現状への満足度が上がる。比例して現状の解像度が上がっていく。髪を巻く作業はまさにこれである。こだわりが出てきつつあり、楽しめているなと感じる。

 

この髪型の凄いところは、服装を選ばない事だ。

逆に?

逆に。

ロンTにジーパンから小花柄のブラウスまで何でもいけるのだ。印象の振り幅が大きくなり、ちょっと雰囲気が出る、気がする。思っても見なかった効果が休日の外出をウキウキさせてくれる。とても良い。

 

あとは何より、個性が見た目の前面に出る事で突発的なアクシデントに遭わなくなった。

これが一番嬉しい。セミロングの時やボブの時は、面識のないおじさんにすれ違いざまに罵声を浴びせられたり、面識のない老人にゴミ掴まされたり、面識のないおじさんがガラガラのエスカレーターで隣に立ってきたりといったキショ事件が度々あった。もしかしたら似た経験がある人もいるかもしれない。嫌なこと思い出させてごめんね。

これらは全部日中だったし、親しい人からこういう事はされてないので、きっと外見で舐められたんだろうなと想像する。見た目で自分より下だと決めつけ、当たりをつけてこういう事をしながら、普通の顔をして生きている人がいる。彼らに対する怖い気持ちはこの先も消えないと思う。

私はこういう経験をせずに人の尊厳がいかに大切かを学びたかった。もちろん自分がかわいそうだとは思わないし、ひょっとしたら他人と比べてラッキーな方かもしれない。人生に責任取れるのは自分だけだから、気の持ちようくらい自分で考える。

 

後半重い話になったな。書くの疲れたのであんまり推敲しないでアップしそうな気がする。

とにかく、今の髪型は沢山のラッキーを与えてくれる良い奴だということ。万人受けしない好みでも全面に出したら良い事があるということ。

好きなものはこれからも体現していきたいなという話。

 

本当は書くまでもない最近の出来事

◯親不知、本人も知らず

2週間ほど前に、親不知が生えているのを発見した。

自分のことを親不知が生えていない珍人間だと思っていたがそんなことはなかった。

なんか硬いものを食べた。

それで親不知に被っていた歯茎がちょっとめくれて歯が見えた。

 

生えてるわ!!!と思った。

 

全然痛くないから、知らないところで安全に生えていたらしい。仕事人かよ。

これは本当にビッグニュース。

 

◯指サック革命

アルコール消毒による乾燥と角化症のダブルパンチで指先がカサカサな手毬。

紙をめくる時の小さなストレスは自覚していたので、思い切って指サックを導入した。

まだ若いし...という見栄はもっと早く捨てるべきだった。革命レベルのめくりやすさよ。

お仕事柄、書類をパラパラする機会が多いが、それはそれはサクサクとめくれる。

なんなら楽しいまである。

変なところにプライドを持つのは良くないという教訓。ありがとう指サック。