梅雨真っ只中である。 私は就職活動を無事に終え、半パンにクロックスという諦めた装いで大学へ通っては卒業論文の執筆に勤む日々を送っている。 自習室の空調は設定温度が異常に低い。そのため雨の日は震えながら机に向かっている。我ながら滑稽な濡れ鼠で…
1月も残り少ない午後3時。穂高の席につきホットコーヒーを頼む。 鞄から格好をつけた文庫本を取り出しつつ携帯のメッセージを確認する。彼女の到着まで10分弱といったところか。 待つのは好きな方である。相手がいつ到着するか分からない、アンコントロール…
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